【小説版】チンポ出すなら後楽園 pt.1

チンポ太郎はチャックを半分下げたままカッと刮目して観覧車を睨む

衆人環視陰茎を露出、即座に警邏の眼前で切腹する気と見える。

 

「貴官我が陽物屹立するを憎むや、肉の外に聳立が非違ならば中は如何、肉の塔に鉄の塔」

 

と叫ぶが須臾、肉棒の垂直から臍の下に七寸五分の刀身を突き立てる。

 

二重に混じり合う異なる生臭さの中を腸の絡みつく雲間を抜け

消沈する魂を載せ浄土にへ運ぶ橋梁とならんとする如く

肉棒屹立ますます高まり

穿刺する刀身のついに見えぬほどに腹腔の中に姿を消す折には

陰茎は蒼穹の肉を凌辱せんとする勢いで

腹から流出する血液を

狂乱する愛人の骨を集む如くかき寄せては装填する

衆生の怯えと怒りの声は歓喜の声に変わり、

警邏もまた勃起と死を以て乾坤の陰陽原理を示さんという志を是認すると

おのずと平身低頭し一歩下がっては

このチンポ出したまま絶命しゆく男を敬礼のまま見護る

警邏の屈服を認めるや

「チンポ出すなら後楽園」とどこからともなく漏れ出すと

驟雨のようなシュプレヒコールが敷衍する

「チンポ出すなら後楽園!チンポダスナラコウラクエン!」